はじめに
今回のエントリーは、油圧回路について書いていきたいと思います。まず油圧回路とは、何でしょうか?油圧回路は、作動油と呼ばれる油を巡らせて、ものを動かすシステム全体のことを示します。今回は、その初歩の概念を解説していこうと思います。
今後、それぞれについて子細な内容を示していく予定ですが、本エントリーは、基礎中の基礎や、基本的な登場人物について、ザックリと示していきます。
油圧回路の基本
油圧回路の用途
油圧回路について学ぶ前に、これの使用用途について具体例を示していきます。使用用途が分からないと、なぜこれを学ぶといいのかというイメージが求められないからです。具体て例は以下の通りです。下記具体例の上2つは、全て油圧回路で動く場合が多く、最後の例は一部の機能で油圧回路が使われている例です。
- 建設機械
- 産業機械
- 自動車/飛行機/船舶などの一部要素
建設機械の一例を下の絵に示します。工事現場などで使われる機械です。油圧ショベルやトラクターなどがあります。読者が多分一番目にする機会の多い機会です。
産業機械の一例を下の絵に示します。産業機械は、おおざっぱに言えば工場などで使われる機械です。工作機械や加工機械などを総称して言います。ちなみに以下に示した産業機械は、圧延ミルと呼ばれている機械です。鉄やアルミニュウムなど硬い素材を圧下して薄く引き伸ばす機械です。これらは、身近にはありませんが、読者の生活を支えている機械です。
自動車/飛行機/船舶などの一部要素の例を以下に示します。飛行機を例にしました。飛行機はメインは油圧回路ではなく、ジェットエンジンで動いています。しかし、羽の動作制御などは、油圧回路で動作されています。
上記の様に地味ですが、読者の生活に見えないところで深くかかわっているシステムです。
油圧回路の基礎レイアウト
油圧回路の基本レイアウトを以下に示します。機械により、細かくは変わります。しかし、大きく分けると、タンク、ポンプ(+動力源)、制御弁群、アクチュエータの4つの要素で構成されることが多いです。動きとしては、タンクから作動油をポンプが引き揚げます。ポンプが作動油に圧力と流れを与えて、制御弁群で構成された制御ユニットに送ります。制御弁により、動かすべき部分に作動油を適切に送りアクチュエータ動かす。使い終わったら、再びタンクに作動油を戻していきます。このように油圧回路は構成されます。
各種要素の役割
ポンプの役割
ポンプは、動力源と接続して、作動油に圧力と流量のエネルギーを与える要素部品です。どれくらいの出力を出す装置か。どのような制御を加えていくかなどを考慮して油圧回路に適合したポンプが選定されます。
制御弁群の役割
制御弁群とざっくりと言いました。これは、一言で伝えることが難しかったからです。基本的に、『弁』と呼ばれる部品を用いて、油圧回路に適合したシステムをくみ上げます。弁のイメージを以下に示します。
個人的には、ここの自由度はとても大きく、レイアウトを決める上で大変難しい部分の1つだと考えています。制御弁の働きの詳細は割愛しますが、ザックリと下記3要素の弁があり、それらを組み合わせて構成される場合が多いです。
- 圧力を制御する
- 流量を制御する
- 作動油の流れる方向を制御する
アクチュエータの役割
アクチュエータとは、圧力と流れを持った作動油を受け取り、機械的な動作をしていく部品です。アクチュエータには、下図に示すようなシリンダーや走行モータなどがあります。
タンクの役割
タンクは、使わない作動油をためておく役割を担います。回路内を作動油が再び回るまで、余分な作動油をためておきます。タンクの中にはフィルターなどが取り付けられている場合があります。作動油の貯蓄だけでなく、浄化の役割を担っていたりします。ごみを取り除くことで、回路内の油圧部品の故障を防いでいたりします。
※https://www.nihonbody.com/products/detail.php?id=3799&large=1&middle=22 より
まとめ
まとめです。油圧回路の基本要素とその機能の概略を述べました。今回詳細は割愛しましたが、今後各要素についての解説を進めていきたいと考えています。この記事が分かりやすかった。良かったと思ったら、他の記事も読んでもらえたら嬉しいです。この記事を機に油圧機械に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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